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【MARVEL】This is my selfishness

第7章 7th




おおおおお起きちゃう!
と、思った頃にはゆっくりバッキーの目が開いた。



「おはよう…」


優しく微笑むとわたしの肩に回していた手が、今度はわたしの顎下を撫でた。



『?!』


その行動に一気に顔が熱くなる。
ね、寝ぼけてるの?


『お、おはよ…』


精一杯振り絞って、挨拶を返すと、バッキーの手が止まり、微笑みも固まった。



「あ〜…ミア?」

『ミアです…』


何の確認…?もしかして夢で猫が出てきて、寝ぼけてその猫を撫でるみたいに顎下を撫でたのかな…?



「…その肌布団を腰に巻きながら起き上がってもらっていいか」

『え?』


わたしの後ろを指さす手に導かれ、自分に掛かっていた肌布団を見る。

これを腰に……と自分の下半身を見ると絶句した。


バッキーの体に乗るように密着している自分の下半身はパンツを履いてるだけだった。



『なっ、えっ、?!』


瞬時に、言われた通り腰に肌布団を巻き付けながらバッキーの上から飛び去り、ソファーから落ちた。
痛い!


「大丈夫か?」


尻もちをついたわたしに合わせてバッキーがソファーから下りてしゃがんでくれる。



『だ、いじょうぶ、じゃ、ない…』


お尻の痛みよりも大きな問題がある。


『わ、わたし、何で…』


何で上半身裸のバッキーの上で寝ていたのか、
何で下半身パンツだけなのか、
それどころか何で上がシャツ1枚なのか、
そもそも何でバッキーの部屋にいるのか。



何一つ思い出せない。
記憶が無い恐怖をひしひしと感じている。




「説明する」


ふぅ、とバッキーが息を吐いた。



















『う、嘘でしょ…?』

「…そんな冗談を言う顔に見えるか?」

『バッキー、ポーカーフェイス上手そう…』




バッキーから説明された内容は信じられないものだった。

アレックスの催眠術は成功していた?
でも催眠術をされた時は何もなかったし、そこから帰りまで数時間の間がある。時間差で催眠術が発動するなんてことあるの…?

バッキーにも分からないらしいが、実際にわたしは猫のようになっていたらしい。
その……猫みたいに……バッキーに甘えるように擦り寄った、とか………



考えるだけで恥ずかしさで頭が大爆発しそうなくらい熱い。




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