【MARVEL】This is my selfishness
第7章 7th
「、」
寝転んで幾分も経たないうちにトス、と寄りかかってくる感触で目が覚めた。
「おい、ソファーで寝ろって」
ぴったりとくっつくようにネコミアが添い寝しに来ていた。
硬い地面じゃろくに寝れないくせに。
また抱き抱えてソファーに戻して、再び床に寝転ぶ。
と、またすぐに同じようにソファーから下りてくっついてくる。
「……」
それを3回ほど繰り返して、俺が根負けした。
もともといつもは自分がソファーで寝ているが、それは1人だから出来ること。
ベッドではなく、あくまでソファーなのだ。さすがに2人寝るのは難しい。かと言って俺が床に寝るからとくっついてくるミアまで床で寝かせる訳にはいかない。
逆にくっついてくる性質を利用しよう。
まず俺がソファーに寝転び、その上にミアを乗らせる。
念の為、落下防止でミアを背もたれ側に寄らせる。そしてその上から肌布団をかける。
すると、甘えた猫が母猫にするような、所謂【フミフミ】をしてきた。
「……」
邪な気持ちが湧き上がってくるから止めて欲しいと思いつつも、可愛いとも思ってしまう。
一時して、落ち着いたのかぴったりと密着して、首元にミアの鼻がくっついた。
「…おやすみ」
ミアの旋毛にキスをひとつ落として、目を閉じた。
『んん、、』
何かに囲われているような窮屈さを感じる。
布団…にしてはゆとりがないというか…
あとなんか…わたしのベッドの匂いじゃない…けどなんか安心する…。
そしてなんとなく筋肉質な感じがする。
重たい瞼を頑張って開いてみる。
『…え?』
しかめっ面のまま目を開けると、顎髭が見えた。
少しだけ体を起こして顎髭よりも先を確認する。
『?!?!?!』
ビックリしすぎて声も出ない。
バッ、バッキー?!
え、ちょ、
起き上がろうと手をつき直して、また気付く。
わた、わたし、バッキーの上に乗ってるっ!
肩にバッキーの腕が回されてる…!!
って、裸!!!!?
起き上がろうとしたのと驚いたのとで思わず足にも力が入り、片膝がバッキーを押しつぶすようになってしまった。
その衝撃のせいか、バッキーが小さく呻いた。