【MARVEL】This is my selfishness
第7章 7th
ないな、ドライヤー。
仕方なく、新しいタオルを持って、ミアが待つソファーへ向かう。
すると、ミアはソファーに置いていた俺の肌布団を下敷きにするようにして丸まって寝ていた。…猫だ。
しかし丸まって寝ているせいでパンツが丸出しだ。
起こすのが忍びないが、このままではミアが風邪を引いてしまう。
…起こした時、催眠術が解除されていたらとんでもない事になるだろうな。
まあ、それは今に限ったことじゃない。
この催眠術の解除条件が何か分からない以上どうしようもない。もしこれが続くようならサムに連絡して然るべき機関にミアを送らないといけないかもしれない。
その時はもちろん俺も一緒に行くが、できるだけそれは避けたい。
実験体のように扱われかねない。
「ミア、髪乾かすぞ」
しゃがんで、肩を軽く揺らすと『ナァ』と鳴きながら起きた。
そして起きてすぐ猫の伸びのような動きをする。
ああ…いろいろ丸出しだ…。
本人に自覚がない間にいろいろ見てしまっている…。
気が済んだのか、まだ少し寝ぼけ眼で近づいてきて、俺の胸に額をくっつけてくる。
その頭を新しく持ってきたタオルで包みながら拭いてやると、また気持ちよさそうに顔が上を向いてくる。
「ミアは撫でられるのが好きなんだな」
そう零すとそれに応えるようにまた鈴を転がすような可愛い声で鳴いた。
タオルで出来るだけ乾かしてから櫛で梳く。
恐らく普段本人がしているケアには到底敵わないだろうが、これで勘弁してもらうしかない。
「疲れたろ。寝るか」
頭を撫でるとその場で寝ようとする。
「いや、ソファーで…」
抱き抱えてソファーに下ろし、下敷きにされていた肌布団を小さく丸まるミアに掛けてやる。
俺は床でも寝れる。…ミアから貰ったクッションだけは俺が使わせてもらおう。
「おやすみ」
そう言って電気を消して、ソファーのすぐ近くでクッションを枕に横になった。