【MARVEL】This is my selfishness
第7章 7th
「頭洗うぞ」
リンスインシャンプーを手のひらに乗せ、ミアの頭をワシワシと洗う。
洗いながら先程気付かなかったことに今更気づく。
…裸にしなくていいと思ったが、体を拭く時は…?
濡れたシャツを着たままタオルで拭いて乾くか?
自分で思っているよりも、今の俺は余裕が無いようだ。
「ちょっと待ってろ」
ミアの頭を洗った後、急いで自分の頭も洗う。
そしてミアが動き出す前に洗い流す。
泡がどこにも残らないようしっかりと洗い流し、シャワーを止めるとミアが頭をブルブルと振った。
その勢いで足を滑らせたのを抱き留めるように支える。
よし、バスタオルで包みこもう。
2人分バスタオルを手に取り自分の頭に1枚かぶせ、もう1枚をミアの頭にかぶせて軽く髪を拭く。
「あー…これ、脱げるか?」
出来るだけ下は見ないようにシャツを上にあげる仕草をすると、理解したのか、張り付くシャツを脱ぎにくそうにしながらも脱ぎ始めた。
その隙に新しいシャツを準備し、濡れたシャツを脱ぎ終わった瞬間にバスタオルでミアの体を包み込む。
そしてその状態でバスタオルの上からタオルを押し付けて水分を取るように撫で付けていく。
これならある程度拭けるだろ…
そうやって拭いたあとに、シャツを着せてからミアの下半身を拭き、先程別にしておいたパンツを履くように促す。
「髪は後で乾かしてやるから、とりあえずあっちで座っといてくれ」
ソファーを指しながら言うと、『にゃ』と短く鳴いて大人しくソファーへ向かった。
ネコミア、賢いな。
猫になってるとは言え、人間の構造上出来ないことは出来ないらしく、擦り寄ってきても、気持ちよさそうな顔をしても、喉がゴロゴロとなる事はなく、特別身体能力が上がる訳でもないようだ。
体を拭いて下を履き替えてから適当に頭を拭き直しながらドライヤーを探す。
櫛はあるが、普段からドライヤーを使っていない為、用意していたか分からない。
自分で購入したものと、国から支給されたものが混ざっていてどれが自分で購入した物か、国から支給されたものか大して把握していない。