【MARVEL】This is my selfishness
第7章 7th
ふむ。ネコミアは水がダメなタイプの猫か?
一度、シャワーを止めてシャワールームから顔を出すと台所の影からミアがこちらを見ていた。人間不信のような顔をして。
「Hey、風呂好きだろ」
努めて優しい声で呼びかけてみる。
俺は気にならないが、ミアが元に戻った時、自分がシャワーを浴びてないと知ったら絶望しそうだ。
「…ひとりが嫌なら俺と入るか?」
半分冗談で半分本気だ。
もちろん、裸にする気は無い。今の格好のまま、洗えるところを洗えばいいだけだ。
匂いがついている箇所と言えば頭と仕事着くらいだろう。
ミアが脱ぎ捨てた仕事着は後で洗えばいいし、頭は服を着てても洗える。
今着せている俺のシャツは濡れるが、それも新しく別のシャツを着せればいい。
問題はミアのパンツだ。
濡れたら替えを用意できない為、先にそれだけは脱いでもらわないといけない。文字通り、俺のシャツだけを身に纏った状態になるが。
銅像にでもなったかのようにこちらをジッと見たまま動かないミアに示すため、シャツを脱いで頭からシャワーを浴びる。
そうして濡れた状態で再度シャワールームから顔を出してミアに声を掛ける。
「ほら、怖くないだろ?」
ポタポタと雫が落ちる。
その様子を見て、ペタペタとミアが近付いてきた。
「いい子だ」
安心させるように頭を撫でてやると、眉尻を下げてはいるが、落ち着いた様子で俺を見上げる。
「悪いが…その…下は脱いでくれるか」
トントン、とミアの下着の辺りを指で示すと、『にゃぁ』と小さく鳴いてパンツを脱ぎ始めた。
──────さっきも思ったが…割とセクシーな下着をつけている…。
それを濡れない所に置いて、シャワーを手に取る。
驚かせないように足元で湯を出し、下から上へとミアを濡らしていく。
「……」
色つきのシャツにすれば良かったと後悔した。
引っ張り出したシャツの色は白だった。
濡れたシャツがミアの肌にピッタリと張り付いていく。
もちろん胸にも…。
うっすらと乳首の色が見えてしまっている。
「…何やってんだろうな、俺は……」
自分は今猫を洗ってるんだと言い聞かせようとするも、上手くいかない。