【MARVEL】This is my selfishness
第7章 7th
服の締め付けが嫌だからと言って全裸でうろつかれるとかなり困る。俺の下半身が。
気になってる女のこんな格好を見て何も感じないわけが無いだろう。
好きになっていいのかなんて悩んでる振りをしているが、実際のところ、ミアにかなり惹かれてるのは分かってる。彼女の匂いに安心して寝不足が解消されるくらいだからな。
クッションが欲しいがためにソファーに自分のクッションがあるのも無いって言うくらいだぞ。
…そうだ。締め付けが嫌なら俺の服はどうだ?彼女の背格好なら俺のシャツはゆとりがあるはずだ。
焦る頭で適当にシャツを引っ張り出す頃にはミアがブラジャーを外していた。
「NoNoNo」
慌てて引っ張り出したシャツを頭の上から被せる。
「これを、着ろ」
スポ、とシャツから頭を出したネコミアに言うと伝わったのか、ちゃんと袖を通した。
サイズにゆとりがある分、袖から指先が見える程度しか手が出てない。
下はギリギリ、パンツが見えないくらい。
自分で自分の首を締めている気分だ。
しかもミアは自分が着ているシャツの匂いを嗅いで『ぅなぁん』と鳴きながら嬉しそうな顔をする。
そのまま、また俺の胸に頭を擦り寄せてくる。
「…満足したか?」
髪を梳くように頭を撫でると、満足そうに目を細めてくる。
…可愛いな
撫でていると、だんだん顎が上を向いてくる。
顎下を撫でてやるとくすぐったそうにしながら、もっと、とつま先立ちをするように顔を近づけてきた。
嬉しそうに口角を上げるその唇に吸い付きたくなる。
なんとかその衝動を抑えて、ここからどうするかを考えなくては。
…ミアはいつも仕事から帰宅後、シャワーを浴びるはず。
タバコの匂いや酒の匂いを少しでも早く取るために。
今の状態でシャワー入れるか?
絶対無理だろ。
「シャワー入るか?」
一応本人に意思確認をしてみるが、話しかけられたのは分かっているようで俺を見てはいる。けれどはっきりとした返事は無く、首を傾げるだけだった。
とりあえず連れて行ってみるか。
「こっちだ」
手を繋いでシャワールームへ連れて行く。
シャワーヘッドを手にお湯を出してみると、驚いたのか、一目散に逃げて行った。