第1章 01
彼は気分屋のようだ。おそらく、暇つぶしの道具として捕まえたんだろう。話し相手でもパシリでも、その名称はなんでもいいが、今度の所有者は彼のようだ。
次の日、彼は教室に現れた。教室がザワついたのと、独特な笑い方で気がついた。
「バハッ、教室でもハブられてんのな」
「おはようございます半間くん。教室に来るなんて珍しいですね」
「ちょっとな」
数日前、席替えが行われた。彼はその日いなかったから、私の後ろの窓際1番後ろの席になっていた。彼はその日、一日中そこに座っていた。時々私の黒い長髪をいじりながら、授業は聞いていないようだ。