第1章 01
「もしかして、ここは半間くんの特等席でしたか?」
「ん〜、まぁそうとも言えるな」
「それはそれは、何度もお邪魔してすみません」
資料室などしかない端っこ。私は外にいて、半間くんは校舎内。ここに近寄る人なんてほとんどいない。半間くんは、よくここにいるようだから、私がこんな状態になることを前から知っていたんだろう。
「それじゃあ、失礼します」
今度からはここに来ない方がいいと、彼女達に伝えよう。半間くんが怒るかもしれない。
「ここはやめた方がいいと思いますよ」
「は?あんた指図できる立場なの?」
「いえ、そういう訳ではなく」
彼女たちは、やはり私の言うことを聞いてはくれなかった。今日は彼がいないことを祈ろう。でも、その願いは聞いてはもらえなかった。