第5章 05
「今からあの男に事実か聞きに行くか」
手を引かれるまま、私は闇に足を踏み入れた。
かなりバイクを走らせた。波の音が聞こえる。この倉庫の外には海があるのかもしれない。叔父は、ビニールシートの上座っていた。足はだらりと伸ばし、手は後ろで縛られている。
「弥月!!おい、助けてくれ!」
顔は痣が残っているが、元気なようだ。助けを求めるおじを無視して、半間くんから貰った紙を見せる。叔父はビクリと身体を震わせる。
「お母さんとお父さん、貴方が殺したの?」
「ち、違う!俺は何も知らない!」
「嘘はつかない方がいいぜ」
半間くんが後ろで煙草を吸いながら呟いた。彼はすでに本人に事実確認を行ったそうだ。もう叔父からの頷きはいらない。両親のことがなくても、私はこの男を、殺したくて仕方がない。