第5章 05
今日の夜開けとけ。彼はそう言って家を出た。なんとなく、それが何を意味するのか分かった。もしかしたら帰ってからご飯を食べるかもしれない。夕飯を作り、温めるだけでいいように置いておく。
テレビも付けず、ただぼーっと外を眺めていた。半間くんは、いつもと同じように静かに家に帰って来た。
「おかえりなさい」
「ああ」
すぐには出かけないのか、彼はソファに腰かけ隣を叩いた。すすっと叩かれた場所へ座れば、彼は3枚ほどの紙の束を差し出した。
私が受け取ると、彼はそのまま黙ったままだ。とりあえず、その紙に目を通す。
そこに書かれていたのは、両親の死の真実。叔父の陰謀、協力者、場所も時刻も全て細かく示されていた。