第2章 02
「んっ…」
久しぶりに深く眠った気がする。普段見る悪夢もなかった。座りながら寝ていたはずなのに、目が覚めると、体は横たわっていた。目ぼけたまま上を見ると、半間くんが笑っていた。
「よぉ、起きたか?」
「私、いつの間にこんな体勢に…」
体を起き上がらせて半間くんに向き合うと、彼は私の頭をかたち通りになぞった。どうやら、乱れた髪を直してくれているようだ。
「寝苦しそうだったからさ。膝貸してやったんだ、感謝しろよ」
「うん、ありがとうございます」
昼飯行こうぜと彼は私の手を引く。お金が無いと断るが、彼は気にするなと言ってまた私をバイクに乗せてしまう。