第1章 1章―夏祭り―
「さやかも息抜きか?」
『サボり大王さまと一緒にしないでよね。』
「変なあだ名付けんな!//」
クスクスと笑いながら近づいてくるさやか。よく見ればいくつもの巻物を抱えている。
「また勉強か」
『うん。エンマのおかげで図書室が利用できるから、すぐのめり込んでしまって』
「そっか。さやかのそういう所、すげぇ尊敬する。俺はしばらく紙と文字すら見たくないけどな!」
『ふふっ//私もエンマのこと尊敬してるよ』
「そ、そうか…//」
さやかは表裏がなく、会話していてとても心地好い。
そして笑顔がとてつもなく可愛い。
さやかに上目遣いでおねだりされればなんでも許可してしまいそうだ。
恐らく他の奴らも一発ノックダウンだ。俺としてはこれ以上ライバルは増えてほしくないのだが…。
それは叶わないだろう。
さやかは自分の魅力に気づいていない。
それがまた魅力になりライバルを惹き寄せる。