第1章 1章―夏祭り―
祭りへ向かう道中、所々へ提灯が飾られていた。
近くなるにつれ美味しそうな匂いや賑やかな音がしてきた。
かなり久しぶりの祭りにそわそわするさやか。
そんなさやかが珍しく、エンマは口元を緩めていた。
屋台にはお面、ヨーヨー、金魚すくい、射的、フランクフルト、たこ焼き…
ん?
この人たちどこかで見たことある。
『ね、エンマあれ』
「お!たこやっ鬼とボー坊じゃねぇか」
屋台を出している人間たちの中に妖怪もいたようだ。
「え?妖怪だって?!」
ケータは妖怪ウォッチを店主たちへ向けた。
たこ焼き→たこやっ鬼
フランクフルト→ボー坊
「妖怪も屋台するんだね…」
唖然とするケータ。
『あっちでバナナをたたき売りしている人も』
さやかはバナナを叩き売りしているナガバナナを指さした。
「バナナしか置いてないニャン…」
「なぜバナナなんでしょうね。ウィス…」
エンマは先ほどから何かを探すように辺りを見渡していた。
『エンマ、どうしたの?』
「あぁ、お目当ての屋台を探してたんだ。ぬらり達の土産にもしたくてな」
「僕も一緒に探すよ、エンマ大王!」
「本当か!?」
「一体なんの屋台をお探しでウィス?」
「俺の好物である…
りんご飴だ!」
白けるジバニャンとウィスパー。