第1章 1章―夏祭り―
「フラワーロード」と書かれた看板が目印の商店街。
その中に“精肉のあんどう”という精肉店があった
「お!あった!ここのコロッケうまいんだぜ」
『エンマ、コロッケ食べることあるの?』
ちょっと意外という表情でこちらを見るさやか。
「当たり前だろ。宮殿で出される料理も勿論美味しいが、こういうのはまた別格だぜ」
「あれ、今日は長身のイケメンお兄さんは一緒じゃないのかい?」
お店の奥から大柄の男性が出てきた。ここの店長のようだ。エンマのことを知っている様子。
長身のイケメン…ん?
ぬらりひょん様のこと?
「今日は見張り…いや、仕事でいないんだ」
「そうかい!いつもスーツだもんなぁ!」
ぬらりひょん様…スーツで人間界を視察されてるのね…
さやかに気づいた店長
「む!やっぱりイケメンには可愛い彼女ができるんだな。羨ましいねぇ!」
『あ……え?』
周りを見渡すさやか。
彼女って…私のこと?
「その内仕事も一緒にできるといいなと俺は思ってるがな」
「もうそんな将来の約束までしてるのかい?昼間っからお熱いねぇ!」
ハハハ!と豪快に笑う店長。
さやかは真っ赤な顔で口をパクパクさせていた。