第1章 1章―夏祭り―
更に肝心なことを思い出した。
『エンマ、私お財布とってくる…』
こんなことになるとは思ってなかったため、恥ずかしいことに手持ちが少ない…。
そもそも、こちらの通貨が人間界で使えるのかもわからない。
エンマに背を向けようとした瞬間、
グイッと腕を引っ張られた。
「急に誘ったんだ。そこは気にするな」
ニッと歯をみせて笑うエンマ。
『いや、でも…』
「いいから。な。うんがい!人間界まで頼む!」
『わ!』
いつの間にうんがい鏡まで!?
ぺろ〜ん
さやかは半ば強制的に人間界へワープさせられた。