第1章 1章―夏祭り―
一瞬、さやかの顔が浮かんだ。
「ぬらり。さやかを誘ってみようと思う」
「さやかですか」
「あぁ。しかし、俺はあまり祭りに詳しくない。そこでケータ達に案内を頼もうと思う。それならお前も少しは安心だろ」
つまり、お前も少しは休めということだった。
「お心遣いありがとうございます。確かさやかは妖怪学校の…」
「あぁ。ぬらりみたいに立派な妖怪になりたいんだとよ。日々頑張ってるみたいだからお前もうかうかしてられないぜ。それに…お前のいう相応しい相手にピッタリだろ?」
ニッと歯を見せて笑うエンマ。
なるほど…
どうりで図書室への特別許可をされたわけですね。
「最近は剣術も腕が上がってきていると噂をききます。護衛にもなりますし、確かに相応しい相手かもしれませんね」
「なら、善は急げだ。早速誘ってくるぜ!」
あとは宜しくな!とエンマは書斎から姿を消した。