第1章 1章―夏祭り―
―エンマの寝室―
ドサッ
「あ~…今日もちょっとしか話せなかった」
お風呂をすませ、ベッドで仰向けになり天井を見上げるエンマ。
妖術、剣術共に長けているとさやかの噂を耳にすることが多々ある。
ぬらりの耳にも入ってるのか、一目おいている感じだった。
さやかは話せば聡明で可憐なため、密かに恋のライバルも多い。
特にカイラ…
アイツは学校でもよく話していたし、今日もさやかの側にいた。
「早く…俺の側近になってくれよ」
そしたらいつでも会えるし、あの笑顔を近くで見ることができる。
お茶出しなんかされたら、仕事もはかどるだろう。これならぬらりにも怒られないし、願ったり叶ったりなことばかりだ。
そんな事ばかりを考えていると自然と口角が上がっていた。
「さてと…寝るとするか!」
明日、仕事が順調にいけばまたあの場所へ行ってみよう。約束なんてしてないがさやかに会える気がする。
その前にぬらりが納得してくれるまで仕事をこなさないと…
エンマは目を閉じ、眠りについた。