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鬼滅の刃〜炎の絆〜

第3章 家族の絆ー後編ー


「お兄ちゃーん!」

病室の扉をトントンと叩いてから中に入ると、そこには宇髄さんとその奥さんたちがいて、とても賑やかだった。

最後の戦いの後、暫く眠っていたお兄ちゃんが先日漸く目を覚ましたのだ。

毎日のように鬼殺隊の誰かが炭治郎のお見舞いに来ており、病室はいつも賑やかだ。これは炭治郎が他人から好かれる性格をしているからこそだろう。

「こんにちは、宇髄さん。お兄ちゃんのお見舞いに来てくれてありがとうございます!」

ニコッと笑うその姿は鬼だった頃の禰󠄀豆子とは似ているようであまり似ていない。また、人懐っこく明るい性格をしているため、炭治郎の妹だと誰もが分かる。

そんな禰󠄀豆子の頭を宇髄は笑いながら撫でてあげると、禰󠄀豆子は何かを思い出したように「あ!」と声を出した。

「不死川さん、でしたっけ?さっき廊下で会ったんですけど、同じように頭を撫でてくれたんです」

禰󠄀豆子の言葉に炭治郎も宇髄もキョトンとした顔をした。そして炭治郎は笑顔で「良かったな」と禰󠄀豆子の頭を撫でる。

「初めて話しましたけど…笑顔の素敵な方ですね、不死川さんって」

思わずときめいちゃいました!と頬を染めて笑う禰󠄀豆子を見た宇髄は意味ありげな顔をしてニヤリと笑った。

「へぇ、アイツがねぇ」

「…禰󠄀豆子、善逸にはその話しちゃダメだぞ」





暫く話をしながら盛り上がっていると、またお兄ちゃんの知り合いの人がやってきた。

「こんにちは!」

「父上早く早く!」と手を引っ張り病室に入ってきたのは自分と同じ年頃の子だった。父上と呼ばれた人と、その後ろにはお兄ちゃんより年上の男の人もいた。

……三人とも同じ顔だ。

「千寿郎くん、煉獄さん!」

お兄ちゃんの言葉に、この人たちがよく話に出てくる“煉獄さん”なのだと知り、驚いた。

話の中で出てくる“桜さん”もこんな感じの人なのかな、なんて思ってると、お兄ちゃんが匂いで気づいたみたいで「見た目は全然違うぞ」と教えてくれた。

鬼だった頃の記憶は全然覚えてなくて、でも、何となくだけど優しい雰囲気の人に可愛がってもらったような感覚は残っていた。

その人が桜さんだったのかな。そうだったらいいなぁ、なんて思いながらみんなの話に耳を傾ける。


私もお話ししたかったなぁ、桜さんと。


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