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鬼滅の刃〜炎の絆〜

第3章 家族の絆ー後編ー


「君たちはどうしてここにいる?任務か?」

自己紹介も終わり、落ち着いたところで杏寿郎が炭治郎に問いかけた。

「鎹鴉からの伝達で、現地にいる煉獄さんと桜さんに合流するようにと命じられました」
「うむ、そう言うことか。承知した!」

「あと、煉獄さんに聞きたいことがあって…」と炭治郎はヒノカミ神楽の事を杏寿郎に説明し、何か知らないか聞いていた。

最後まで話を聞いた杏寿郎は、「だが知らん!」と言った後、「この話はこれで終いだな!」と切り捨てた。

潔いのは杏寿郎の美点だ。炭治郎はもう少し話を聞きたかったみたいだが、これ以上聞いたところで何かが変わるわけではない。知らないものは知らないのだ。

窓の外へ今にも飛び出しそうな伊之助とそれを全力で止める善逸を眺めながら、二人の会話に耳を傾けていた。



「桜さんは何か知りませんか?」

炭治郎は桜にもヒノカミ神楽の事を聞き、そしてしのぶとの会話を思い出す。

“炎の呼吸の使い手である煉獄さんに聞いてみると何か分かるかもしれません。あとは…桜には聞いてみましたか?彼女はああ見えて実は博識なんですよ。“煉獄家”は古くから鬼狩りの名門一族ですから、竈門くんの力になってくれると思います”

どうか桜さんが知っていますように、と願いながら炭治郎は桜を見る。

「“ヒノカミ神楽”は聞いたことないけど、ひの…」

言いかけたところで車掌さんが切符を拝見しにやって来たので話を一旦やめた。

皆が切符を出して、一人ずつ切り込みを入れてもらう。

「…拝見、しました」
「……?」

切符を返してもらった時、切符から僅かだが嫌な気配がした。そして列車の中にも嫌な気配が満ちる。…鬼だ。

まず杏寿郎が立ち上がり、そして炭治郎たちも杏寿郎に続く。

「罪なき人に牙を剥こうものなら、この煉獄の赫き炎刀がお前を骨まで焼き尽くす!」


炎の呼吸 壱ノ型 不知火!


「凄い…、一撃で」
「……相変わらず熱いわねぇ」

純粋に凄いと思っている炭治郎の隣で、桜は苦笑しながら見ていた。

「…もう一匹いるな、着いてこい」

走って別の車両へと進む杏寿郎と炭治郎と伊之助。善逸は座って震えたままだ。

「ほら、行くわよ」

善逸を引きずりながら皆が行った車両へと向かった。


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