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鬼滅の刃〜炎の絆〜

第1章 家族の絆ー前編ー


日が暮れた頃、目的地周辺へとやってきた。これが桜にとっての初任務だ。ちゃんと鬼を滅することができるだろうか…と、正直不安でいっぱいである。

生きて帰ると約束したのだから、死ぬわけにはいかない。

「…大丈夫。頑張れ、桜!」

自分に喝を入れた時だった。後ろから嫌な気配がしたと同時にブワッと鳥肌が立った。瞬時に振り向き距離を取ると、そこには鼻の下を伸ばした気持ち悪いオッサン…ではなく、鬼がいた。

「若い、若い女子ダァ。ウヘヘヘヘ、イイなぁ。そのスラリとした生足…美味そうダァ!」
「ひぇっ……!」

何だコイツ、気持ち悪い。いろんな意味で気持ち悪い…!

「あとニ、三才ほど若かったら、俺好みでもっと良かったんだがナァ。俺は幼女が好みなんだよナァ、うへへ」

これでもかってくらい口を開いて、涎を垂らしながらニタァっと笑うその姿は気持ち悪すぎる。

「おえっ、気持ち悪い。そして変態だわ。鬼でも変態っているのね…。きっと人間だった時モテなくてこんな変態になっちゃったのね。…可哀想に」

一人妄想の世界に入っていると、鬼は気に障ったのか額にピキピキ青筋立てて「黙れぇぇ!!」と叫び、襲い掛かってきた。

何度も何度も攻撃を仕掛けてくるが、動きが単純なため避ける事はできる。避ける事はできるのだが、

「炎の呼吸壱の型、不知火!」

鬼は足が早すぎて、刃が首に届かない。それどころか、体を擦りもしない。

「くっ…!」

まだそんなに人を食べてはいないのか、血気術を使ってくる事は今のところない。それだけが救いだ。

「地獄に落ちろ!変態!!」

もはや変態呼びである。

「俺は“変態”じゃねぇ!“変態おじさん”だ!!」
「…………………」


それって、変態に変わりないよね?


「今まで喰ってきた子たちにはそう呼ばれてきた!だから俺の名前は“変態おじさん”だ!」
「……………………アホだ」

もうヤダ。何この鬼、特殊すぎるんですけど……!オツムがかなり弱すぎる、頭の残念な幼女趣味の変態鬼だ。

アホなセリフを言いながらも攻撃を仕掛けてくる変態に、避けながら技を放つがやはり当たらない。

「何で頭は悪いのに足は速いのよ!」
「頭が悪いのと足が速いのは関係ねえだろ!」


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