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鬼滅の刃〜炎の絆〜

第1章 家族の絆ー前編ー


杏寿郎と別れ初任務へと向かった桜は、鬼が出ると言う情報を探るため聞き込みをしていた。



甘味処でみたらし団子を食べつつ、女将さんの話に耳を傾けていると、昨日も女の子が一人いなくなったようだ。

「優しい子だったのに…無事だと良いんだけど……」



八百屋のおじさんの話では、特に顔の良い子が行方不明になっているらしい。

「昨日いなくなった子も将来は絶対に別嬪さんだった筈だ。あと30年若けりゃ俺が嫁に貰ったのになぁ」

腕を組んでうんうん、と頷きながら話してるおじさんの後方から、鬼の形相をしたおばさんが出てきた。

「何馬鹿なこと言ってんだいアンタァァァア!」
「…ひっ!」

首根っこ掴まれたおじさんはブルブル震えながら「昔は淑やかだったのに今じゃ…。……時の流れは何で残酷なんだ!」と叫んでいる。

「うるさいよ!アンタだって頭の毛がカッパじゃないか!ホント時の流れは残酷だ、昔はフサフサだったのに騙されたよ!!」

おばさんの言葉に衝撃を受けるおじさん。「お、鬼〜!」と泣きそうな声で叫んでいる。…違う意味の鬼が出たようだ。八百屋の熟年夫妻からはどうでもいい情報しか得られなかった。



立ち話をしていた奥様方の話曰く、年頃の子が狙われることもあるが、主に12、3歳ぐらいの女の子が狙われているとか。…幼女趣味なのか。

「お嬢さんも人攫いには気をつけるんだよ。あんた綺麗だし、狙われるかもしれない。夜に村の入り口付近には絶対に近づいちゃダメだよ」
「あたしもあと20年若けりゃ、人攫いに遭ったかねぇ」
「何言ってんだい!それだったら私も攫われてるよ!」

あはははは!と笑いながら雑談しているが…人攫いが“鬼”ならば、死を意味する。…知らないとは言え、何とも笑えない冗談だ。


聞き込みの結果分かったことと言えば、狙われているのは12歳ぐらいから年頃の女の子で、家のお使いに出かけたまま帰ってこないらしい。顔が良い子たちが狙われているので、暗くなると人攫いが村の入り口付近に潜んでいるのかもしれないとのことだ。

「村の入り口付近、ね」

あそこは村の入り口なのに木がたくさんあって、日が沈むと薄暗い感じがして気味が悪い。これ以上被害者を出さないためにも、今夜村の入り口へ行ってみよう。


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