第6章 偉人のまねをしてみましょう
その夜、私は机に座って昼間の事を考えていた。
『里の大人はみんな言ってるぜ。』
あいつらはそう言ってた。
大人が言ってて、それを子供が真似してる。
うちはを犯罪者だと、嘲笑していいと思ってる。
駒をひっくり返してやりたい。
でも、どうやってひっくり返そう…。
『犯人は絶対捕まらないだろう。』
確かに捕まらない。てか、捕まえられない。
マダラは無理ゲー。
『その証拠に火影様達もお前らを疑ってるから…』
証拠…、証拠だ。
証明すればいいんだ。
木の葉にいるうちは一族ではないという証明。
まず調べなきゃいけない事は、九尾の引き摺り出し方。
あと、万華鏡写輪眼と、その条件。
だって、マダラは万華鏡を持ってるから。
『万華鏡写輪眼を開眼してるのは、今は俺だけだ。』
兄ちゃんが言っていた事を思い出す。
…まだ兄ちゃんしか開眼してないのかな。
確か漫画で、イタチのお父さん、フガクさんも開眼してるって書いてあった様な気がするんだけど。
「…また何を考えてるんだ?」
「うわっ!」
後ろから急に声をかけられて飛び上がる。
急いで後ろを振り返ると、呆れ顔の兄ちゃんが立っていた。
「…お前はちっとも成長しないな。」
「てへっ☆」
私は誤魔化すように後ろ頭を掻いた。
「何がてへだ。まったく…。」
兄ちゃんは私を見て一つため息をついた。
ごめんなさいねぇ。
それよりも兄ちゃんに聞きたいことがある。
でも…、話しづらいなぁ。
「あー…。あのさ、ちょっと相談があるんだけど…。」
「何だ?」
「今日、学校でさ…」
二人して畳に座りながら、とりあえず事のあらましから話すことにした。