第5章 春はやっぱり桜だね
まだ心臓がバクバク言ってる。
怖かったもん…。
でもこれではっきりした。
イタチの言ってた親友はシスイ、つまり兄ちゃんだ。
つまり…。
兄ちゃんはうちは全滅の前に死んじゃう、ってことになる。
うわ…。
何で今そんな夢見たんだろ。
昼間その事を考えてたから?
それにしても…グッドタイミング過ぎるっていうか…。
正直、ゾッとする。
何か…、決まりきった未来だから先に見せてあげるよ、って言われたような気持ち悪さがある。
どうせ何も出来ないでしょ、って。
…考え過ぎかしら。
この話って確か、”シスイ”がダンゾウに片目取られたんじゃなかったっけ?
で、計画が失敗に終わって、イタチの所へ行って、自殺、って流れだった気がする。
何で片目潰されたくらいで死のうと思ったのかな…。
一族にかけようとしてた幻術が、みんなにバレたから?
それで村にはいられなくなった?
それにしたって死ぬことじゃないと思う。
それともイタチの為?
万華鏡を開眼させる為だけに終わらせた?
だとしたら、申し訳ないけど兄ちゃんの命は高すぎる。精算が合わないと思う。
私はぐるぐるとする思考に埋もれて、一晩布団の中でもんもんと考え込んでしまった。