第5章 春はやっぱり桜だね
「全く…。で、何だ?」
「あ、そうそう。イタチって兄ちゃん以外に友達いるの?いるよね?まさか兄ちゃん一人だけってのはあり得ないよね。」
私は顔色を伺う様に兄ちゃんに尋ねる。
…お願い、うんって言って。
「さあ…?何で。」
さあ?なのか…。
私は肩を落とした。
まぁ、そうだよね。友達の友達がいるかいないかなんて、知らないか。
でもさ、そういう話って普通しないもの?
「言えよ。気になるだろ?」
聞いといて黙り込んでしまった私に焦れたのか、催促された。
…どうしよう。めちゃめちゃ言いづらい。
「…いや、ね…、イタチが一族全滅させた時にさ、イタチはサスケに会っててさ。…その時に、万華鏡写輪眼を会得するには”最も親しい友を殺す事”って言ってたの思い出したんだよ。」
「え…。」
私の説明に、兄ちゃんは驚いて息を呑む。
そうだよね。今のところ、イタチの友達なんて兄ちゃんしかいないんだもんね。
「あー…、でもね、友達が兄ちゃんだけとは限らないじゃん?
それにさ、矛盾がある気がするんだわ。
そもそも一族全滅は任務だった訳で、イタチがサスケに言い残してった事って半分以上が嘘なんだよ。
全然違うじゃん、って思った覚えあるし。
たから、殺したって事が嘘の可能性あるし。」
取り繕ってみるも、兄ちゃんは視線を落として押し黙ってしまった。