第5章 春はやっぱり桜だね
「遅かったか?」
イタチの声がして私達は揃ってそちらを向く。
最近、時間が合うとこうして三人で集まって修行することが多くなった。
最初の内は、バレたかも?って思うくらい挙動不審になって、兄ちゃんに呆れられてたけど、最近ではそれもなくなってきた。
…うん。大丈夫。もう変に緊張することはない。
「いや、問題ない。エニシも今来たところだしな。」
兄ちゃんの言葉に、うん、と言いながら頷く。
「ならやるか。」
と、イタチが言う。
早速かい。
まぁ、やるけれども。
「エニシ、いいな。」
「…ガッテン承知。」
兄ちゃんが念押しするように聞いてくるのを、少し引きながら答えた。