第5章 春はやっぱり桜だね
最近、うちは一族は里の外れの集落の様な場所に移り住んだ。
所謂、村八分だ。
多少は気に入らないけど、せいせいした部分は大いにある。
このまま独立しちゃえばいいのに、なんて思わなくもない。
独立したって、木の葉の傘下に入れば問題ないんじゃないかな。そうしたら里との接点だって減って万々歳じゃん。
それを兄ちゃんにちらっと言ったら、馬鹿って怒られた。
そう簡単な問題でもないんだってさ。ちぇっ。
「ただいま〜。」
新築のいい匂いがする玄関を入って真っ直ぐ自分の部屋へ向かう。
簡易的な机と椅子。
前と比べるとちゃちいけど、作りたての木の匂いは気分が上がる。
反対側にある兄ちゃんの机を見ると、書類が数枚置いてある。
どうやら帰ってきたらしい。
私は机の上にカバンを投げて、クナイホルダーを持つと、村の裏側へ駆けて行った。