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もう一度、を叶えるために。first

第5章 春はやっぱり桜だね



で、放課後。

律儀に来ている私もどうなの?なんて思わなくもないけど…。
でも、すっぽかして後である事ない事言いふらされても癪に障るしなぁ。
そうなると素直に言うこと聞いてやった方が面倒が少なくて済むかも。
…って思っちゃうと、ついつい来てしまう。

「めんどくさいなぁ…。」

当の本人はまだ来ない。
時計を見ると、果たし状に書いてあった1分前だ。
ぴったりになったら帰ろうと思い、時計と睨めっこしていると、

「よく来たな!」

最近、よく言う様になったお決まりのセリフを吐いて、トウキがやって来た。

ちっ…。
来やがったか。

「そのまま遅刻すればいいのに…。」

思わず本音が漏れた。
嫌々な空気が全面に出ていたせいか、取り巻き達が一斉に険しい顔をする。

「お前なんか今にトウキが…」

言い切る前にギロリとそいつを睨むと、びくりとして口を噤んで私から視線を外す。
黙ってればいいものを。

「今日こそ汚名返上だ!」

「いいから早く終わって。」

息巻くトウキに冷めた一言を返す。
私の塩対応にも慣れたのか、最近トウキは全く気にしなくなった。

「今日は忍組手で勝負だ!」

「また面倒なものを…。」

私はため息をついた。

校庭でなんて目立つ所でやってるから、まぁ注目されることされること。
今じゃ、ちょっとした名物になりつつある。
帰りの自由な時間ということもあって、多くの人が校舎のあらゆる所から見物している。

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