第5章 春はやっぱり桜だね
春になり、卒業式が終わり、すぐに入学式を迎えた。
今年はいよいよイタチの入学だ。
こちらでも日本と同じく、校舎に桜が咲き乱れる。
桜って綺麗だよね。
桜並木なんて特に綺麗。
淡い桃色が儚気で風流で。
今年も見れて良かったわ。
なーんて感傷に浸ってる余裕は、今年に限っては無かった。
「決闘を申し込む!」
何故ならこいつのせいだ。
トウキが果たし状をバン!と私の机に置いた。いや、叩きつけた。
くそ、捕まっちまったぜ…。
今日まで必死こいて逃げ回ってたのに。
最近、しつこいんだわ。
「またか…。」
こいつ、関わらないでって言ったの覚えてないんだろうか?って思う程、よく絡んでくる。
最近、一ヶ月に一回位の割合で挑まれる様になった。
「今日の放課後、校庭で待つ!」
「いや、行くって言ってないよね?」
おいおい。入学式の翌日にするってどうよ?
まぁ、入学式当日にされるよりマシか。
いや、マシなのか…?
「待ってるからな!」
「聞けよ。」
言いたいことだけ言って行ってしまう。
ほんとに何なの?あいつ。
私は思わずため息をついた。