第4章 そうだ、修行をしよう
私達は黙って構えると、それぞれクナイを放った。
ストン!ストン!ストン!ストン!ストン!
「…う、うそだ…。」
「私の勝ちだね。」
私の的には、黒丸に一本、内側の丸に三本、外側の丸に一本。
対してトウキの的は、内側の丸に三本、外側の丸に二本。
私の勝ちだ。
私は隣で唖然としているトウキを見遣る。
「確か、あんたが勝ったら一生下僕。けど、私が勝ったら一生足無し、だったよね。」
私は印を組んだ。
最近、分かった事。
私は土遁が一番得意らしい。
見た目がちょっと、と思っていたけど、攻撃には打って付け。
何せ、人体より硬い鉱物ですから。
「土遁、大岩の術。」
唱えると同時に、地面からボコっと身長分位の大きな岩が生えてきた。
「賭け分、きっちり貰おうか。」
私が更に印を組み始めると、
「「「うわああああぁぁぁぁ!!!」」」
トウキ達が蜘蛛の子を散らす様に一斉に逃げ出した。
「けっ。一昨日きやがれ。」
私は、自分の投げたクナイ”だけ”回収すると、さっさと家に帰って行った。