第4章 そうだ、修行をしよう
「他の奴は隅に下がってろ。」
私は取り巻き達に向かって言う。
「な、何でお前に命令されなきゃならねぇんだよ!」
「そうだぞ!俺等がどこにいようと勝手だろ!」
「そうかよ。じゃあ、お前も賭けをする一人として五本勝負やるんだな?」
私がそう切り返すと、全員顔を引き攣らせた。
その一人にクナイの切先を向けて、ひたと見据える。
「お前が勝ったら私はお前の”一生”の下僕。但し、私が勝ったらお前は”一生”歩けない。それでいいな?」
「ぅ……。」
そいつは小さく呻いて後ずさった。
私は別の奴に矛先を変える。
「お前もそれでいいな?」
面白いくらいに顔を引き攣らせて後ずさった。
小物野郎が。
「勝負する気がないなら下がってろ。」
私の静かな声が響いた。
私は踵を返し、幾つか並んでいる的の前に立つ。
「私はここね。」
「…じゃあ、俺はこっちを使う。」
私の隣の的にトウキが並んだ。
大丈夫。
いつも通りやれば上手くいく。
的を見据えて一度深呼吸をする。