第4章 そうだ、修行をしよう
面倒な予感。
ここは先手を打つべし!
「…じゃあ、私が勝ったらもう喧嘩売ってこないで。」
鬱陶しいんだよね、毎度毎度。
だが、トウキはそれを聞いてニヤリと笑った。
「じゃあ、俺が勝ったらお前は一生俺の下僕な。」
私はその言葉に、ピキっと頭の血管が浮き出たかの様な錯覚を覚える程、怒りを感じる。
人を何だと思ってんのかね、こいつは。
「一生ねぇ…。だったら私が勝ったら”一生”歩けない様にお前の足を粉々に折ってやる。」
私は、かつて抱いたことのない様な憎悪を隠すことなくトウキに向けた。
けれど、歯向かってくるかと思ったのに、何故かその場にいた全員が数歩後ずさった。
「…どうすんだよ。やんのか、やんないのか。」
私は、ここぞとばかりにガンを飛ばす。
舐められっぱなしじゃ腹の虫が治らない。
「や、やる…。」
すっかり顔を引き攣らせたトウキが前に進み出た。
「五本勝負。言いっこなしな。」
「…分かった。」