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もう一度、を叶えるために。first

第19章 お別れと始まり




ピンポーン。


片付けが終わった直後にチャイムが鳴った。
あれ、早いな。
いつももっとゆっくりなんだけど。

ナルトだと思って何にも確認せずにガチャリとドアを開けてから後悔した。
あの日に見た赤い眼が間近にあったのだ。

「ひっ…!」

やだ…!殺される!

「エニシ、逃げるぞ!」

「は?え?あ、ちょっ…!」

何が何だか分からない状態で、突然腕を取られて外へ出ると、問答無用で担がれて空を舞った。

「……っ!!」

こわ〜!!!
こんな速度で振り落とされたら、怪我じゃ済まないでしょ!!

怖過ぎて、私を担ぐその人に全力でしがみつく。

あれ…?
でも何か変だ。

ザザザって音が、そこかしこから聞こえてきて音の方を見ると並走する人影が見えた。
一、ニ…いや三。
三人に追われてる…?

何で?
どういうこと?

しかも段々と追いつかれてる。

うそ…、もしかして殺されるの…?


ヒュン!


「ひっ…!」

短剣がすごい速度で飛んできて、ぐっと反射的に体が縮こまる。
それをきっかけに止まるしかなくなったのか、ザザーって音を立ててその人は止まる。
で、追ってきた人も私達を囲うように止まって一気に絶体絶命になった。

「俺が引きつけるから、お前は走れ!いいな!?」

「え?えぇ!?」

答える暇もなく、問答無用で戦闘が始まってしまう。

「走れ!!」

背中を押されるように叫ばれて否応なく走り始めるけど、そもそもが無理がある。
戦闘のプロと非力な人間じゃ、勝負は見えてる。

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