第19章 お別れと始まり
今日は何にしようかなぁ。
買ってきた食材を一度籠から取り出して床に並べてみる。
白菜とにんじんとキャベツ、それから海苔と昆布とふりかけ。
お肉屋さんで豚バラとソーセージ。
う〜ん…。
「あ、そうだ。あれにしよう。」
鍋に水とコンソメを入れてぐつぐつ沸かす。
その間に、一口大に切った白菜と肉を交互に挟んで土鍋にぎゅうぎゅう敷き詰めていく。
それから塩昆布を適量入れて、煮立たせたコンソメスープを流し入れて、またぐつぐつと煮る。
「出来た…。」
ただいま、六時半。
ピンポーン。
「帰ってきた。開いてるよ〜!」
「たっだいま〜!」
「おかえり〜。丁度出来たよ〜。」
「おぉ!うまそうな匂いだってばよ!今日は何したんだ?」
「今日はね、白菜と豚バラのミルフィーユ鍋よ〜。」
「げ…野菜…。」
「そんな嫌な顔しないの。絶対美味しいから。食べてみてよ。」
「マズそうだってばよ…。」
この…!
ゴン!と音が鳴るほどのゲンコツをお見舞いしてやりましたとも。
「いってぇ!」
「食べてから言いなさいよね!」
まったく!
恐る恐る口にした瞬間、美味しいってことに気づいたナルトは、うまいうまいとたらふく平らげた。
「ごちそうさん!」
パンっと小気味良い音で柏を打ったナルトは、後片付けもそこそこに部屋へと戻った。
お風呂は自分の部屋がいいんだって。
うちで入れば楽じゃんね。
よく分かんない。