第4章 そうだ、修行をしよう
イタチは、誰かの視線を感じて、ふと、クナイを投げる手を止めた。
前方…ではない。
後方から。
ぱっと振り向くと、少女が一人走って行くのが目に写る。
「あれは…。」
見覚えがあった。
確か、シスイの妹のエニシではなかったか。
「走り込みを始めたのか…?」
全速力で駆けて行くその姿を見送って、イタチはシスイと共に修行した時の事を思い出す。
面白い子だったな。
食い意地が張っているのか、偶々お腹が空いていたのか。
鬼気迫る勢いでシスイに詰め寄っていたのが可笑しかった。
「ふふっ…。」
イタチは思わず笑みを溢した。
この間は、サスケとの時間を作りたくて甘味処の誘いを断ってしまったが、時間が合えば一緒に行くのも楽しそうだ。
そんな風に思って、遠くの空を見上げた。
「…よし。」
やるか。
イタチは心の中で呟いて、また気を引き締めた。