第18章 記憶喪失に…なりました?
ガキン!!
何でか金属音が鳴り響き、私には全く痛みがなくて、瞑っていた目をそっと開く。
「女の子一人に随分だな。うちは一族はいつから野蛮人に成り下がった?」
頭上から声がして、ばっと両手を下すと、目の前に誰かが庇うように立ち塞がっている。そして、その隣にももう一人立っていた。
「はたけカカシ!!同族の眼を奪っておいてよくも…!」
その人はそれに答えず、無言で軽々と剣を押し返した。
「この子は既に粛清を受けたって聞いてるけど。そもそもその粛清だって、勝手が過ぎるよね。」
「黙れ、余所者が!首を突っ込むな!!」
「そう…。なら、厳正に精査しようか。申し立てがあるなら暗部まで来てもらおう。」
その言葉に三人が怯んだ。
そして、剣や武器をしまうと闇に紛れるように逃げていった。
こわかった…。
心臓がまだバクバクいってる。
手足の震えが止まらなくて、べしゃっと地面にへたり込んだまま、動けなくなってた。
頭がくらくらする。
「落ち着け。ゆっくり…。ゆっくり息をして。」
い、き…?
背中を摩られる感覚があって、ぐらぐらする視界で誰かに抱き止められているのが分かった。
く…る、しい…。
「大丈夫だ。もう怖くない。」
その言葉が繰り返し聞こえて、支えられている腕にしがみつくように掴まった。