第18章 記憶喪失に…なりました?
とある日。
いつものように仕事終わりの休憩時間にこんな話になった。
「エニシ、今度都に行ってみない?」
「都ですか?」
「そう、里の外にある火の国の大名が住まう都。お膝元だけあって、色々なお店がずらりと並んでて楽しいわよ。」
「可愛いのにお高くて諦めた服とか、安く買えるからお得よ〜。」
先輩のサキさんとナツさんは年末になるとよく都に行くんだって。
歳末バーゲンセール狙いなんだとか。
バーゲンねぇ。
それも里の外でしょ?
ショッピングしてみたいかも!
「ぜひ、行きたいです!」
「決まりね。宿は私達で決めるけどいいわよね?」
「分からないんでお任せします。」
「じゃあ、来月の二日に予約入れとくから支度しておいてね。」
「分かりました。よろしくお願いします!」
来月…十二月二日ね。
準備しなくちゃ。