第18章 記憶喪失に…なりました?
「いらっしゃいませ〜。」
「お、今日も精が出るねえ。俺、いつものね!」
「俺は生姜焼き定食にしようかな。頼むよ。」
「は〜い。お好きな席にどうぞ〜。」
早くも半月が経ちました。
ここ、まるふくで順調に女給をやっています。
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『すみません、ここバイトって取ってないですかね?』
当たって砕けろ。
忙しそうな店員さんに直球でいってみました。
少しふっくらした、顎にちょび髭のあるおじさんです。
『そりゃまあ…こんな忙しい時にはほしいけど。…君、幾つだい?名前は?』
『エニシと言います。歳は…。』
私の年齢って幾つなの?
『えっと、十四です。』
適当…。
ちょっと後ろめたい気もするけど、分からないって答えるよりはマシな気がした。
『十四ねぇ…。う〜ん…、まぁいいか。ちょっと試しに入ってみてよ。』
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そんなわけで、お試しでやってみたら「いいねぇ」と言われて採用してもらいました。
で、今では昼だけでなく夜も入れてもらえることになった。
今日は夜の方に入ってるのさ。