第18章 記憶喪失に…なりました?
「じゃ〜ん、今日はカレーにしてみました〜。」
調味料を一から調合してみたんだよね〜。
でも、ナルトの反応はイマイチ。
「ラーメンがいいってばよ。」
始まった…。
「毎日毎日よく飽きないねぇ。今日だって朝か昼かで食べてんでしょ?」
「昼間ラーメンだった。いや〜いつ食べても美味いってばよ。」
満足そうに言うナルトにゲンナリする。
ラーメンは私にはジャンクフードの括りだ。
とてもじゃないけど主食には出来ない。
「味覚が可笑しいってばよ。」
「真似すんな!」
「今にビョーキになるよ?」
塩分半端ないんだから。
「ね、ね、それよりも食べてみてよ。」
いそいそとよそってナルトの前に差し出すと、渋々ながらも座って口に運んだ。
すると、眇められてた目がぱちっと見開かれた。
「美味いってばよ…。」
「よっしゃ大成功〜!」
数日間調合した甲斐がありましたよ。
味見しすぎて美味しいの感覚が分からなくなってた今日この頃。
上手くいって良かったわぁ。
暫く二人で黙々と食べ進めて完食致しました。
はぁ〜お腹いっぱい。
後ろ手をついて寛いでいると、ナルトが話しかけてきた。
「エニシはさ、何でここに住み始めたんだ?」
「…急にどしたの?」
ナルトが真剣だとなんか調子狂うわ。
「だって…。だって、お前ってば家族がいるじゃねぇか。なんだってわざわざ…。」
何かを堪えるように俯くナルトに、私は姿勢を正した。
そして、病室で目覚めてからの事を振り返る。
「…私さ、記憶喪失なんだって。」
「きおくそうしつ…?」
「そ。今まで覚えてた事み〜んな忘れちゃう…病気?怪我?なんだってさ。」
「何で…。」
「さあ?何でだろうね。頭を打ったわけでもなく、何かの術にかかってるわけでもなく。きれ〜さっぱり忘れちゃった。」
ははって笑ったら、ムッとされた。
「何で笑ってるんだってばよ!」
「え?」
「えって、お前っ…!それってやべぇ状態じゃねえか!なのに、なに暢気に笑ってんだってばよ!!」
「まぁまぁ、そう怒らない怒らない。」
「ちったぁ焦れよ!!」
って言われてもなぁ。