第18章 記憶喪失に…なりました?
「そうねぇ、何から話そうかしら。」
「その前にお名前を伺ってもいいですか?」
「…あぁ、ごめんなさいね。私の名前は夕日紅よ。こっちが並足ライドウ。私達は任務を受けてここに来たのよ。」
「任務?」
「あなたの身元の登録手続きや退院、アパートの案内。その他諸々困った時のお手伝い、ってところかしら。」
へぇ、そういう仕事してるのかな?
「普段はこういう任務受けないんだけどね。あなただったから受けたのよ。」
私だから?
「ってことは、夕日さんも私を知っているんですか?」
「紅でいいわ。えぇ、少し話をするって程だったけど。私、あなたの事気に入ってたから…。」
「俺も…びっくりしたよ。まさか本当に…。」
ライドウさんの気落ち具合が半端ない…。
「えっと…ほら、その〜…、記憶以外はどこも悪い所ありませんし。その、ね、あまり気に病む事はないといいますか…。」
言えば言うほどしょげていくっていう…あぁ…。
「ライドウ、しゃんとしなさいよ。困らせるために来たんじゃないでしょ?」
「そりゃそうだけど…。」
「この際、アンコと代わって…」
「止めろ、やるから。やれるから代えるな。」
あ、立ち直った。
「それじゃ、まずは着替えて。もう退院出来るからここを出ましょ。」