第18章 記憶喪失に…なりました?
「ライドウ、そんなこと言いに来たんじゃないでしょ?」
後ろから凄い美人が出てきた。
右半分は赤い着物みたいな着物を纏い、全体的に包帯みたいな服で身を包んでいる。
赤い大きな目が特徴的で赤のグロスも超お似合い。
「あなたの退院をお世話することになったの。よろしくね。」
はい?退院?
いやいやいや待って待って。
私、今家なき子だから。
「あの、ホームレスはちょっと…。」
…いや、大分困るんですが。
そう言ったら、美人さんは笑う。
「大丈夫よ。火影様の管轄下に入るから、アパートに入れるわ。これ、着替えよ。私が適当に選んじゃったけど。」
差し出された紙袋を受け取って中身を見ると、下着一式から着替えまで大体揃ってた。
「そして、これが通帳ね。銀行に行けばお金が下ろせるわ。」
「あ、ありがとうございます。」
お金、ですか。
これは素直に受け取っていいやつか?
っていうか、銀行ってどこ?
いや、そもそも火影様って誰?管轄って何?
何でいきなりアパート?を借りられることに?
頭の中をハテナだらけにして持て余していると、二人は顔を見合わせて困り顔を浮かべた。
「まずは座って話しましょ。」
私は美人さんに促されて病室へと戻った。