第17章 うちはの里を作っちゃおう2
その日のうちに一族の元に返されて、うちはでも会合が行われた。
目隠しだけは取り払われたけど、手足の拘束はそのままに、背中を押さえつけられて膝をつかされる。
その場でも、私は同じ一族に非難の言葉をぶつけられ続けた。
「態々、我らの計画を潰すような真似をするとは、愚かにも程がある。」
「これ程まで愚かだったとは思いもよらなかった。これ程同族に殺意を抱いたことはない。」
「どの様な罰が望ましいか悩ましい。地下牢か晒し者か。どれをとっても生温いようにしか思えんな。」
「いっそ、両眼を抉れたらどんなにいいか。その眼に写輪眼を宿していると思うだけで腑が煮え繰り返るようだ。」
…はっ。
酷い言い様だわ。
でも…、こんなものなのよね。
これが、一族のためにと身を粉にした私の評価なのよ。
讃えられたかったわけじゃない。
だけど自分の事は棚上げで、こんなボロクソ言われて、それでも一族を誇りになんてもう思えない。
…もう、いいや。
これ以上頑張れない。
殺したいなら殺せばいい。
嬲りたいなら嬲ればいい。
「…それならば一つ案があります。」
兄ちゃんの声がその場に通り抜ける。
「エニシの記憶を消してしまえばいい。そして、一族から追い出してはどうでしょう。」
何でもいいよ。
好きにしたらいい。
「記憶を消す?そんな事できるのか?」
「俺の…万華鏡を使います。」
どよめきが走り抜けた。
「…いいだろう。」
フガクさんの声が響く。