第17章 うちはの里を作っちゃおう2
「だ、誰だ…!」
突然、何の音もなく湧いたように現れた者に戦慄した。
顔はぐるぐると巻いた面で分からず、着ている真っ黒なローブも膝下まであり、人相がまるで分からない。
彼らが一歩後退ると、その者は鼻で笑う。
「気にするな。少し手伝ってやろう。」
そう言うと、幾つかの木に手を当てた。
すると不思議なことに景色がわずかに変わったのだ。
「この向こうに探しものがあるぞ。」
その言葉に彼らはその場所に駆け寄った。
本当に、向こうに人が住むのを待っているかのように家が建ち並んでいるのが見えた。
「これは、どうい…、…っ!?」
「いない!?」
「どうなってるんだ!?」
彼らが後ろを振り向いた時には、先ほどの者は痕跡も残さず消えていた。
彼らは不気味そうに互いの顔を見合わせてから、意を決して中へと足を踏み入れる。
すると、待っていたかのようにぼろぼろと崩れるように別の景色に入れ替わった。
「解けた、のか?」
「だろうな。」
肌でそれを感じた彼らは頷き合って駆け出した。