第17章 うちはの里を作っちゃおう2
「探せ、必ずここにある筈だ。」
うちはの里の周辺に蠢く影が六つ。
彼らは志村ダンゾウを頂点とする、半ば彼のための組織、根だ。
彼らの目的はエニシ達の希望の綱である、うちはの里の壊滅である。
『うちは一族を里から出してはならない。あ奴らは必ずこの里に牙を向くだろう。その礎を許してはならない。』
ダンゾウから直に言葉を受けた彼らは、必ずやその場所を潰さなければならない使命を負っていた。
それだけこの場所が、ダンゾウに危機感を抱かせたことをよくよく理解していたからだ。
だが、写輪眼を駆使した結界を易々とは見つけられる筈もなかった。
うちはの瞳術は伊達ではない。
「くそっ!何か手はないのか!」
陽はとっくに上がり、燦々と大地を照らし気温はぐんぐんと上昇を続けていて、彼らの煩わしさを助長させる。
夜明けの薄暗い時分から探しているにも関わらず、未だ見つけられずにいるのだから当然の苛立ちだろう。
「…一度戻って応援を呼んだ方が…」
「馬鹿言うな。そんな事をすれば俺たちはダンゾウ様から失望されるだけだぞ。」
「だが、他に手はあるのか?無駄に探し回って機を逃したら、それこそ失望されるだけだろ。」
会話をしていた者達の顔が曇り、聞いていた者達の手が止まる。
誰もが諦めの気配を感じ取っていた、その時。