• テキストサイズ

もう一度、を叶えるために。first

第17章 うちはの里を作っちゃおう2





その日の夜、シスイは珍しく夜更けに揺すり起こされた。

「…ん…?エニシ…?」

「シスイ、話があるの…。」

「ユキ、か…?」

シスイの小さな問いかけに、こくりと頷いたの見て、彼は身を起こした。

「本当は言おうか言うまいかと迷っていたんだけど…、これだけ事が順調にいっているのがとても怖くて…。」

「どういう、ことだ?」

上手くいっているのだから問題ないように思うのだが、ユキはそう思っていないようだ。

「奈落の底に突き落とされるのが、決まってこういう幸福の絶頂にいる時だからよ。」

眉を顰めるユキの手は、震えるように握りしめられている。

「私…いいえ、私もエニシも、あなたに言っていない事があるの。」

そう言って、ユキは震えると息を細く長く吐き出した。

「あなたは一族のクーデターを止めようとして、ダンゾウという男に万華鏡を奪われるわ。そして、イタチに自分を殺させて命を終えるの。それを夢で見た事があるわ。」

“最も親しい友を殺す事”。

いつかのエニシの言葉が蘇り、シスイは息を呑んだ。

/ 662ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp