第17章 うちはの里を作っちゃおう2
「確かにそうだね。でも、大抵のことは笑い飛ばす人だったんだよね。」
そう言ったら先生が笑う。
「お前の根源が垣間見えたな。」
「根源?」
「お前の底抜けの明るさだよ。」
「そう、なんだ…。」
嬉しいな。
生まれ変わっても。血の繋がりは無くなっても自分の中におばあちゃんが息づいてる。
「おばあちゃんもね、凄く明るい人だったけど、叔母ちゃんも明るい人だったんだよ。」
「叔母ちゃん?」
カカシ先生の不思議そうな相槌に私は頷きを返す。
「そう、私の面倒をよくみてくれた母の妹に当たる人。家が忙しかったからか両親と過ごした記憶があんまりなくて、従兄弟の家での記憶が大半なの。」
兄ちゃんが複雑そうな顔をするのを敢えて見ない振りをした。
だって、私には従兄弟がいたから寂しくはなかったんだもの。
「大家族でね、兄弟は十人いたの。私もその中の一人とすると十一人になるね。叔父ちゃんはくたくたになるまで仕事に明け暮れてたから、子育ては叔母ちゃんが一手に引き受けてたの。逞しいでしょ?」
話してるうちに懐かしい記憶が次々に浮かんできた。
普段のことから、運動会や授業参観といったイベント事、夏休みや冬休み…。
案外と覚えてるものだね。
「家族旅行はいつも一緒に連れて行ってもらってて。おばあちゃんちに行く時とか、ちょっと遠出する時とか。下の子達がしょっちゅうあっちふらふらこっちふらふらするものだから、おばちゃんや菫姉がてんやわんやでさ。菫姉がいない時は私がてんやわんやだった。」
バスに乗る時や電車に乗る時に「晴人がいない!」とか「佳華がくずってきた!」などなど。まぁ、笑えるくらいハプニングの連発だった。
本当に楽しい記憶ばかりで…。