第17章 うちはの里を作っちゃおう2
「いい歌だな。」
気づくと隣にカカシ先生が座っていた。
「前世の歌か?」
「はい。前世、おばあちゃんが好きだった歌です。」
「本当におばあさんがいたんだな。」
後ろから声が聞こえて振り返ると、すぐ傍に兄ちゃんがいて、その近くにイタチもテンゾウさんもいた。
「そうだよ。藤崎由紀はおばあちゃん子だったんだよ。」
由紀が中学二年生の頃に旅立ってしまった大好きなおばあちゃん。
「色々なこと教えてもらったな…。」
お手玉の作り方も料理も。草花のことから、果ては妖怪の話まであったりしたの。
「いつか、話していたな。…『言の葉一つ一つに魂が宿る様に、力を持つ事が時にあって、それが大きな力となる事もある。』と。」
「あぁ、あったねぇ。よく覚えてるね。」
本当にイタチは記憶力がいい。
「言霊って言うんだって。『言葉には力が宿るもんなんだよ。一度出した言葉は決して戻ることはない。だから軽はずみにものを言うもんじゃないよ。』って口酸っぱく言われてたの。」
言霊のことは何回も聞かされたもんだよ。
「ことだま、か。耳が痛いな…。」
「そうですね。」
カカシ先生とテンゾウさんは苦笑する。
「『浮気癖は死んでも治らない。』って?」
兄ちゃんは笑う。
あの任務の時だね。
「おじいちゃんがね、よく火遊びをする人だったんだって。その度におばあちゃんが怒って、喧嘩して、おじいちゃんは『悪かった、もうしないから。』って言うんだけど、しばらく経つと同じことするんだって。それの繰り返しでね。
おばあちゃんは思い出す度に怒りながら私達に話して聞かせるの。それがまたしょうもなくて笑えるんだわ。でね、『浮気癖は死んだって治りゃしないんだよ。だからね男はよ〜く選ぶんだよ』って締めくくるの。」
ほんとに阿呆だなぁってエピソードだらけで、従兄弟達と笑ってた。
「笑い話に出来る、そのおばあさんが俺は凄いと思うけどな。」
兄ちゃんは半分呆れて笑う。