第17章 うちはの里を作っちゃおう2
夜、支度が全部終わって一休みの時間。
私は、蚊帳の中から影法師のように建ち並ぶ家々を眺めていた。
ここまで色々なことがあったなぁ、って感慨深い想いに包まれる。
会合を追い出されたあの日に決意してから今日まで。
兄ちゃんとの修行やイタチも交えての写輪眼の訓練。
トウキとユウ、ナナホ先生とのさよなら。
暗部での仕事の数々。
オビトのことや先生のこと…。
「…知らず知らず、歩いてきたーー♪」
自然と溢れたメロディ。
前世、おばあちゃんが好きだった歌。
私の人生に地図なんてなくて、いつも手探りで躓いたり転んだり…。
長い道のその先は見えなくて、遥か彼方へと伸びていて。
それが今の人生で。
「――いつかはまた、晴れる日がくるからーー♪」
今は雨が降っているけど、いつかはきっと晴れるから。
「――川の流れのように。おだやかに、この身をまかせていたい――♪」
いつかみんなの川と交わって流れていけるように。
みんなの川の流れが途絶えないように造っていく。
私の力が及ぶ限りは力を振り絞って。