第17章 うちはの里を作っちゃおう2
そんな日が三日過ぎて八日目の夕方。
四十二棟の内、四十一棟が完成した。
「最後の一棟!」
私の声に、ぐぐっとテンゾウさん体に力が入り、木がにょきにょきと生えながら組み合わさって家が建つ。
他の家と何ら変わらないけど、込み上げる想いで私にはきらきらと輝いて見えた。
「遂に…。」
どれ程、この瞬間を待ち侘びたか。
「完成だね。」
テンゾウの声に抑えていた気持ちが爆発した。
「いやったあぁ!!」
「おっとっと…!」
思わずテンゾウさんに抱きつくと、よろけながらも受け止めてくれた。
「ありがとう!!本当にありがとう!!」
これで一族を説得できる。
あの運命を変えられる。
そう思えば、嬉しい以外に言葉はない。
「分かった分かった。だから少し落ち着こう、ね。」
宥められて、あぁ、と思い至って離れてから、テンゾウさんを見上げてから、頭を深く下げた。
彼には返しきれないほどの恩を受けたもの。
「この御恩は一生忘れません!」
「こらこら、まだ大仕事が残っているだろ?明日全てにニスを塗らなきゃ。」
優しい声に、込み上げてきた涙を乱暴に拭って顔を上げた。
そう、まだ完成じゃない。
この家達を長く持たせるためにコーティングしなきゃ。
「はいっ!!」