第17章 うちはの里を作っちゃおう2
今日で五日目。
テンゾウさんの状態は頗る良好だった。
「君の施術って凄いんだね。」
「それはよかった。チャクラはどのくらい戻りました?」
「八割方戻ってるよ。いつもは回復に三日くらいはかかるから、それを考えたら脅威のスピードだね。体も軽いし。」
良かった〜。
治療としての判断は間違ってなかった。
「でもま、今日はマイペースでやっていいよ。計画としては順調だからさ。」
「あと二十八棟だし、今日休んでもいいくらいだって兄ちゃんも言ってたんで。」
「そうなんだね。それじゃあ、のんびりやらせてもらおうかな。」
先生と私の言葉に、テンゾウさんの肩がふっと抜けた。
「サポートならお任せあれですよ。」
そう言ったら、何故だか複雑そうな…困惑、嬉しさ、怒りも入ってるのかな?とにかく、一言では言い表せない顔をしたの。
「エニシは…。」
それ以上は言葉が出てこなくて、テンゾウさんの口元で空回ってる。
たっぷり数秒経って気まずさを感じ始めた頃、それはそれは大きくため息をついてから、私を見て困ったように笑った。
「いや、何でもないよ。よろしくね。」
「はい…。お任せください…?」
何だったのかしら?
先生を見ると、同じく困ったように笑ってテンゾウさんの肩を励ますように叩いた。
どういう意味があるんだろうか。
じっと見ていたら、先生は私の頭をぐしゃぐしゃと撫でてからぽんぽんと叩いた。
「ま、気にするな。」
「無理があるよね。」
思わず言い返したけど、この二人は言う気がないのも分かるから、しょうがないよね。
はあ、聞くのは我慢しておこう。
「んじゃ、始めますか。」
「そうだな。」
よしっ!頑張るぞっ!
今日も恙無く終わり、六棟が立ち並んだ。
その間、兄ちゃん達はひっくり返した場所の片付けと点検、先生は残りを少しずつストーンプレスで地均しをしてくれていた。
夜が来て、気が向けばオセロやトランプで少し遊び、就寝。