第17章 うちはの里を作っちゃおう2
イタチは少しの気恥ずかしさを覚えながらも、黙ってされるがままになっていた。
「痛かったりしたら言ってね。」
「大丈夫だ。」
大丈夫と言いながらも、実際はエニシが触れる手を背中で感じながら、ざわざわと心が騒めいていた。
温かい手と僅かに聞こえる息遣い。
エニシが動く度に、彼女の脚が体に触れる。
不思議と他人の気配が嫌ではなかった。
心地良いとさえ感じていた。
イタチは揺蕩う名もない感覚に、微睡むように身を浸す。
「起きていいよ。」
言われた通りに起き上がると、肩や首に按摩が施されていく。
それらが終わると、エニシが正面に回ってきた。
「手を出して。」
差し出すと、心地よく揉み解されていき、ほぅ、と息をついた。
そして、ぎゅっと握られると腕から二の腕まで丁寧にマッサージされる。
イタチはぼうっとしながら、エニシを見つめていた。
真剣な眼差し。その瞳に自分と同じ三つ巴が浮かんでいるのを擽ったく思う。
逆の手をも同じように繰り返し、エニシの手が離れていく。
「終わったよ。どう?」
「かなり楽になったな。ありがとう。」
イタチの言葉にエニシの顔がふんわりと綻んだ。
「どういたしまして。」